|
私の教育に対する思い |
| (3) |
|
私が知能教育と共に非常に重きを置いているのが感性の教育です。
感性とは何か
広辞苑では
外界の刺激に応じて感覚・知覚を生ずる感覚器官の感受性。
感覚によって呼び起こされ、それに支配される体験内容、従って感覚に伴う感情や衝動、欲望をも含む
理性、意志によって制御されるべき感覚的欲望
思惟の素材となる感覚的認識
と記されています。
利根川博士(ある物事にひじょうに敏感に反応して豊かな感情を示す)
利根川進(ノーベル生理学医学賞受賞)私の脳理学講義より
「今の日本では初等教育から大学や大学院の教育まで、教育に関する様々な問題を抱えています。
日本の現在の教育はいわゆる知力とか知識だけにひじょうに重きをおいています。
偏差値にひじょうに大きな価値をおく社会になっています。
そのため知力以上の能力、例えばある物事にひじょうに敏感に反応して豊かな感情を示すといった感性の分野における刺激が少なくないのではないかと思うのです。
私はこういう感性の能力においても子供の頃に臨界期があるのではないかと考えています。
小学校の頃から一生懸命試験のことばかり考えて知的な刺激はどんどん与えるけれども感性を豊かにする刺激は与えていないのではないかと危惧しています。
脳においても知性をあつかっている場所と感性をあつかっている場所は分かれています。
最近の研究によると知性をあつかう脳の部分を十分に発達させる為には感性をあつかう脳の部分との繋がりが重要であるということがわかってきています。
二つの部分にはひじょうに密接な神経繊維の繋がりがありこの繋がりを通じて知性と感性が両方発達しなければ知性そのものがうまく機能しないということがわかってきたのです。
この繋がりがある事故で切れてしまった患者さんがいます。
この患者さんはIQテストなどはひじょうに点数が高いのですが、感性に乏しいのです。
何が起こっても感激しないし失敗しても悔しいとは思いません。つまり社会的に生活しにくい状態になっているわけです。
したがって、知性と感性の両方を豊かにしていく必要があるのです。
日本の教育は将来もっと多様な価値観を認めて人間の能力はいわゆる学力だけでは測れないものでもあることを社会全体が認識することが重要であると思います。
その為には感性と知性がうまく作用しあって両方がともに成長出来るような教育システムを考えるべきでないでしょうか。」私は授業の始めに短い絵本を一冊読みます。本の読み聞かせはこの感性、心を育てる重要な方法の一つだと思います。
しかし、ただ読むだけでは子供の心は育ちません。そこに感情が入り、読み手の心が伝わらなければただ意味を理解するだけに止まります。
喜び、怒り、悲しみ、優しさ、物の善悪等を感じ取ってくれる事が読み聞かせの第一の目的です。
子供は素直にそれを感じ取ります。悲しい絵本を読むと今にも泣き出しそうな表情になるのです。
生活の中で母親の接し方が影響するのはこの感性の教育にあるのではないかと思います。
道を歩いていたら小さな花が咲いていたとします。全く気づかずに歩いて行くのと「可愛い花がこんな所に咲いているね。」と一言言葉掛けするのとの違いです。この一言が次に道を歩く時に、子供の心の中に「また、可愛い花は咲いていないかな?」と感じる心の発育につながるのです。
音楽を聴いて感動し、絵本を見て感動し、本を読んで感動し・・・
感性は豊かであればあるほど、楽しい人生が送れるのではないでしょうか。
又、人の気持ちが理解できる人間が育つのではないでしょうか。
